memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「それで、それは本当に紅蝶なんですか?」


「え?」


それって…偽物もいるってこと?


「…ああ。あれは本物の紅蝶だ。オーラが全然違う」


あ、この顔…族の、総長としての顔だ。


幸助先輩も気づいたのか、ふぅ…と息を吐き出した。


「星希がそう言うなら本物ですね」


「そうっすね!人を見る目だけはあるっすからね!」


「たまに外れるけどね〜!」


…たまに外れるのね。


そして褒めているのか、貶しているのかわからないよ。


お兄ちゃんも複雑そうな顔してるし。


「ま、まぁ、同盟を組むのはもう決定事項だ。そのつもりでいてくれ」


「「はーい!」」


「了解です」


ふふっ。


みんなすごく嬉しそう。


言葉には出さないけど、憧れの紅蝶だもんね。


あー!みんなが憧れる紅蝶!


早く私も会ってみたいな〜。




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