memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「…あ、そうだ。まだ下っ端たちには何も言ってねぇから、お前らも言うなよ?」


「え?なんで秘密なの?」


秘密にしないといけないの?


「…たまにあるんですよ。スパイというものが紛れ込んでいることが」


す、スパイ?!


え、え、それってよく映画とかにも出てたりするあのスパイ?!


「疑いたくはねぇんだけど。同盟を組む相手が相手だからな」


なるほど。


紅蝶は正統派からしたら伝説の族だけど、正統派じゃない族からしたら〝敵〟になる。


そうなると、同盟族を潰す方がダメージも大きかったりするってこと。


…って、族のことなんてよくわからないけど。


「だから言わない。言えないんです。だから星南も秘密にしててくださいね?」


「はい!こう見えて口固いので安心してください!」


そう言って敬礼をすると、突然笑いが起きた。


え、笑うところなんてあったかな?







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