memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「さすが星南。天然っす!」


「本当に星希の妹か疑いたくなりますね」


「なっ!星南はれっきとした俺の妹だ!」


「敬礼!可愛い〜!!」


…みんな言いたい放題ですね。


そして天然ではありません。


「とりあえず話はいじょ…」


「お兄ちゃん?」


どうしたの?


いきなり黙って…。


お兄ちゃんは何も答えず、ただ扉を見つめている。


「…幸助、今すぐ戦闘準備だ」


「攻めてきましたか」


「ああ。狙ってきたか…偶然か」


攻めてきた?
狙ってきた?


どういうこと?


私にもわかるように説明して?!


「美鈴、昶」


「いつでもいけるっす」


「僕も大丈夫です」


美鈴ちゃんと高松くんは意味がわかったの?


…ああ、その顔を見れば何となくわかってきた。


みんな、さっきの優しい顔じゃない。


族の、顔だ。





< 125 / 344 >

この作品をシェア

pagetop