memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「赤澤さん?!大丈夫ですか?!」


「だ、大丈夫です…」


うぅ…しょっぱなから何してるんだろうっ。


恥ずかしすぎるよ…っ。


「ぶはっ」


…んん?何か今…〝ぶはっ〟て聞こえたんだけど。


顔を上げて笑い声がする方を見ると、そこにはキレイなミルクティー色の髪をした男の子が口に手を当てて笑っていた。


ば、爆笑…っ。


そんなに笑わなくてもいいのにっ。


「ふふっ、ごめんねっ。えーっと、赤澤さん?立てる?」


そう言って、キレイに微笑むと、手を差し伸べてきた。


キレイに笑う人だな〜。


「あ、ありがとう…ございます」


「いーえっ!」


よく笑う人。


純粋なその笑顔は、私の胸の奥をむず痒くする。


…前にもこんな笑顔を見たことがある?


そう思うだけで、思い出すことは出来ないのだけど。


それでも…そんな風に笑っていただろう、〝昔〟の私の友達に会ってみたいと思った。


思い出せないと会うことも出来ないのだけども。




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