memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「星南?」


「っあ、ごめんね。お兄ちゃんたちは怪我は大丈夫?」


「ああ。俺は無傷だ」


「僕も大丈夫です。昶みたいにドジではありませんので」


おお…幸助先輩が毒吐いてます。


高松が弁解してるけどスルーしてるし。


「それならよかった…。…お兄ちゃん?」


そんなに怖い顔してどうしたの?


高松くんたちはわかったのか、私を守るように立つ。


高松くん?


幸助先輩や美鈴ちゃんまで…一体どうしたの?


「本気で蹴ってくれちゃって…。あーぁ…服に血がついたじゃん〜」


えっ?!


高松くんのあの蹴りを受けてもまだ立ち上がれるの?!


お兄ちゃんたち…すごく警戒してる。


…あ、そうか。


あの人が目覚めたから怖い顔してるんだ。


私の前に立つのは私を守るため。


私は…本当に邪魔ものだ。









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