memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「赤澤さん!怪我はないですか?!」


「大丈夫です!」


「良かったです…」


瀬田川先生にここまで心配させてしまって…。


転校早々申しわけない…。


「赤澤さん、自己紹介はいけますか?」


…自己紹介…この雰囲気で?


私が転んだせいか、クラスメイトは笑いもせず固まったまま私をじっと見つめている。


その雰囲気で自己紹介はいやだな…。


そんな思いが伝わったのか。


「おーい、何固まってんだよ。自己紹介しにくいだろ?」


さっき私を助けてくれた…名前は知らないけど、男の子がみんなに声を掛けてくれた。


「ごめんごめん。内面まで可愛いからさ〜」


「ドジなところがいいよね!」


「うんうん、妹にしたいかも!」


ドジ…。


別にドジってわけではないと思う!


…転んだのだって、今のが初めてだし。


でも、今の状況だとそう思うよね…。


何もないところでつまずいたわけだし。




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