memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「…昶ちゃん、ちょっと事務所に行って新作の服の見本取ってきてくれないかな?星南ちゃんに着てほしいの」


━━ズキッ。


〝星南ちゃん!見て見て!新作の服!ちょっと着てみてくれない?!〟


…ぇ?


「わかりました!ちょっと待っててくださいね!」


そう言って、軽い足取りで事務所があるだろう方向に去っていった昶。


昶がいなくなるとシーンとなり、すごく気まずい!!


…沈黙を先に破ったのは美緒さんだった。


「…星南ちゃんはいつから昶ちゃんと一緒にいるの?」


「割りと最近です。元々一人暮らししていたんですが、いろいろとあって実家に戻ってきたんです」


「昶ちゃん…が不良っていうのは?」


不良…というのは、きっと族、に入ってることを知ってるか聞いてるんだよね?


もし知らなかった時のために不良と言ってるだけで。


「知ってます。私の兄が昶の…なんていうんですかね、えっと…上司?なんで。兄の紹介もあって」


上司…。


あってるっていったらあってるよね?








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