memory〜紅い蝶と私の記憶〜
フォークでケーキを一口すくうと私に向けて差し出す昶。


なかなか食べない私に不思議そうな顔をしているところを見ると、これがどういう行為か絶対気づいてない!!


これは世間でいう、いわゆる〝アーン〟というもの!


断るべき…なんだけどっ。


なんて断ればいいの?


…ここは腹を括るしかない。


は、恥ずかしいけどっ…。


周りをキョロキョロと見渡してから…パクリと昶の手から食べる。


「…ん!ショートケーキも美味しい!!」


「でしょ?!ここのケーキはどれも最高なんだよね〜!」


本当に最高!


これはお兄ちゃんやお母さんたちにも食べてもらいたい!


お持ち帰りもできるようだし。


あーでも、確かお兄ちゃん今日は倉庫に泊まるって言ってたや。


お母さんたちも帰るのいつも遅いしなー。


…よし、今度にしよう!


なんて考えてる間にも食べ終わり。


「「ごちそうさまでした」」


はぁ〜!


美味しかった!












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