memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「そろそろ行こうか」


「うん。…って、昶?!」


伝票をもって先々とレジへ…って、待って待って!!


「昶!早いよ!って、もう払い終わってる?!」


その行動力?はなんですか?!


そんなに遅くなかったはずなんだけど?!


「うん。もう払っちゃった」


って笑ってるけどね?


「私の分はいくらだった?」


「いらないよ」


「え、そういう訳には…」


「今日はデートなんだし、僕に払わせて?」


本当にいいのかな?


こうなったら絶対に折れないだろうしな…。


「…わかった。ありがとう!」


お礼を言うと、ニコリと笑う昶にこれで合ってたとほっと胸を撫で下ろす。


「さて、もう時間も時間だし、帰ろっか。家まで送る」


「え、でも反対方向とかじゃ…」


「ないよ。実は星南の家から30分くらいの距離なんだ」


30分!


結構近かったんだ。


「じゃあ、お願いします!」


「はいよ!」













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