memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「昶?」


そう思っていると、だんだん近づいてくる昶。


目の前には昶のドアップ。


キスされる!!!


そう思った時には昶を、突き飛ばして…いた。








「あっ…ご、ごめん!!大丈夫?!」


咄嗟に突き飛ばしてしまったとはいえ、突き飛ばしたのは本当のこと。


尻餅をついている昶の元へと駆け寄る。


昶は痛みからなのか、よくわからないけど、少し泣きそうな顔をしている。


その顔に胸が痛くなるっ。


私がっ…昶にこんな顔をさせているっ。


「…大丈夫。ごめんね、星南が綺麗に笑うからついキスしようとしちゃった」


〝焦ってるのもあるんだけどね?〟


そう言って笑ってるつもりなんだけど、それはいつもの笑顔からかけ離れているもので。


もっともっと胸が苦しくなる。












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