memory〜紅い蝶と私の記憶〜

この日に限って…

「きりーつ。礼!」


よっし!!


やっと授業終わったー!


早く荷物まとめてしまおう!


「あ、赤澤〜!すまんが、この教材を数学準備室に持って行ってくれないか?」


え、まじですか?


「せ、先生っ!急ぎの用事があるんですが!」


「はっは!大丈夫大丈夫!すぐ終わるから!」


まじですかっ?


はぁ…でも頼まれた以上仕方ないよね。


「星南!」


「あ、昶」


じーっと教材を見てるところを見ると、今の先生とのやりとりを見ていたとみられる。


「これ、手伝うよ」


ありがたいけど…。


「ううん。昶は先に倉庫に行って?」


「え?」


「昶は幹部だもん。幹部は遅れちゃダメだよ。終わったら私もすぐに向かうから」


私は幹部じゃなくて姫だし。


お兄ちゃんにメール入れとけばなんとかなるはずだし!













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