memory〜紅い蝶と私の記憶〜

はじめまして、紅蝶さん

「星南さん、つきましたよ」


その声に、落ち着け落ち着けと心に念じるのを止める。


「んあ？…もう着いたんだ。運転ごめんね？ありがとう」


まだ時間あると思ってたけど…意外と着くの早かった…っ。


多分、気を遣って早く着くようにしてくれたんだろうな。


その気遣いはすごく嬉しいけど…。


正直、頭の整理とかまだ半分しかできてないっ。


でもずっと車にいるわけにもいかないし…。


そろそろ行かないと下っ端くんも倉庫に入れないよね。


…よし、覚悟決めて行きますか！


車から降りると、下っ端にお礼を行って、倉庫の扉の前に立つ。


「すぅ…はぁ…っよし」


重たい扉をゆっくりと開ける。


その音にいち早く下っ端くんたちが気づいて、それぞれ挨拶をしてくれる。


うん、本当にいい子たちだ。


そこに、きっと幹部室にお茶でも出しに行っただろう下っ端くんが降りてきた。