memory〜紅い蝶と私の記憶〜
扉を開けると、いつもとは違う風景が広がっていた。


ソファーにはお兄ちゃんと幸助先輩が座り、その後ろに昶と美鈴ちゃんが立っている。


机を挟んだ向かい側には男の人2人と女の人が座り、後ろに男の人が2人立っている。


あの女の人が紅蝶の姫なのかな?


なんてぼんやり考えていると。


「星南!?おまっ!連絡ないからずっと心配してたんだぞっ?!」


ガシッと肩を掴まれて前後に揺らされる。


よ、酔うっ。


早く止めてっっ。


出てはいけないものが出てしまうから…っ。


「め、メールするの忘れてたっ」


私の言葉にがっくりと肩を落とすお兄ちゃん。


…これはすごく心配させていたようです。


てか、私と違ってお兄ちゃんって表情豊かだな〜。


聞かなくてもすぐに考えてることがわかる。


表情にも出るし、何より行動にも出るから。













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