memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「ごほんっ」


「っと…わりぃ。いつもの癖や。あははっ」


「「築路さん、すみません…」」


「いいけど、場所は考えろよ」


「おう…」


「「はい…」」


おお、ごほんと咳き込んだだけなのに!


「ごめんね、悪気はないのよ」


栞さんがそう言ってニコリと笑ってるけど…目が笑ってない。


それに…何か殺意?っていうのかな?


睨まれているっていうか…。


私、何か嫌われるようなことでもしたのかな?


でも…こうして記憶の映像の人たちだと…思うんだけど。


いや、まだ本当にそうなのか、自信ないんだけどね?!


私的にはそうだと思いたいけど…。


思い出す記憶が曖昧すぎてわからないんだよね…。


「いえ、大丈夫です」


「つぅか!星南、大人しすぎやろ!どうしたんや?!」


って言われてもな…。


何かを感じ取っているのか、他の3人は無言で金髪さんを抑えている。


…記憶喪失のこと言わなきゃだよね?


これ以上悲しそう顔は見たくないけど…言わないと話が進まない気がする。









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