memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「…わかった。大まかでお願いします」


「了解。俺たちの出会いは小学生の時だった」


「小学生…」


会議の時に聞いて驚いたけど、そんな小さい頃から知り合いなんて…。


こういうのを腐れ縁って言うんだっけ?


…あれ、でもお兄ちゃんはみんなのことを知らないんだよね?


なんでなんだろ?


「俺たち4人は幼なじみで、みんな学年は違うけどずっと一緒にいたんだ」


私以外は幼なじみだったんだ…。


だからあんなにお互いのことをよく理解してたんだ。


「まぁ、晴天と太陽は家庭でいろいろあってな。俺たち以外には壁を作り、誰かと関わることを拒んだ」


「え?!」


壁を作り、関わることを拒んだ?


だって…会議での晴天と太陽はすごく人懐っこい感じだったよ?


そんな風には全然見えなかった。


「それを、2人の殻を破って、人との関わりの大切さを教えたのが星南、お前だよ」


「私…がっ?晴天と太陽に…?」


人との関わりを教えた?


私が?


そんな大切な思い出まで忘れちゃった…?











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