memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「ね、ねぇねぇ!」


「ところで!」


「「2人は何してるのー?」」


なぜか悪くなってしまった空気を吹き飛ばすように、晴天と太陽が〝はいはーい!〟とジャンプしながら声を上げる。


「なにって、デートだけど」


チーン。


昶のおバカーーー?!?!


せっかく、せっかく!!


2人が空気を変えようとしてくれたのにー!


「はいはい!じゃあ、次は俺やな!!」


庵さんっ!!


お願い、この空気を吹き飛ばして!!


この時の私は、この空気をどうにかしたくて忘れていたのだ。


庵が〝バカ〟ということを。


「2人はどこまでしたんや?!」


ズドーーーン。


まさにそんな音がピッタリだよ!!


なにその質問!



このタイミングでするものじゃないから!!


いや、他のタイミングでも嫌だけどね?!


「で、どうなんや?!…いてっ?!」


よし、ナイス双子!!


2人に頭を殴られ、しゃがみこんで頭を押さえている庵。


痛そうだけど同情はしません!







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