memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「星南だよ!星南が!!」


「「〝あいつら〟に捕まった!!」」


っ!!!


星南が〝あいつら〟に捕まった…!?


…やばい。


今の星南は〝普通の高校生〟だ。


しかも相手は汚いことを普通にやるヤツらだ。


早くしないと星南の身がっ。


「晴天!お前は買い出しに出かけている庵を呼び戻せ!」


「了解!」


「太陽!お前は下っ端のやつらに収集をかけろ!」


「はい!」


「俺は先にmoonに向かって状況確認をする。全員が揃い次第、moonに来てくれ」


「「了解!!」」


返事をすると、2人は急いで幹部室を後にする。


星南が大変だと知ったら、例え用事があってもみんなすぐに駆けつけるだろう。


みんな星南が大切だから。


…俺も急いでmoonに向かおう。


総長室に入り、クローゼットに掛けてある特攻服を取り出して羽織る。


足を進めようとして〝あるもの〟に気づいた。


…これは星南の…。


一応持っていっとくか?


…でも記憶が戻るかもわからない。


…でも、これを見たら思い出すかもしれない。


少しでも可能性があるなら、それに賭けよう。








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