memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「ねぇ、星南ちゃんはいつまで紅蝶にいるつもりなの〜?」


栞ちゃんは慎也を始めとする幹部に媚を売っている。


だけどそれが通用するのは庵だけで、他のみんなはスルー。


それが気に食わなかったのか、私を追い出そうと考え始めた。


毎日毎日私の元へと来ては、出ていけと遠まわしに言うんだ。


慎也が出ていけと言うまで私は出て行かない。


だって私は慎也の影で彼女だから。


「私は紅蝶からも慎也たちからも離れる気はねぇよ」


「その口調もどうにかしたら〜?女の子なのにー」


「別に私の勝手だろ。私は急いでるんだよ。もういいか」


倉庫で慎也が待っているのだ。


ここで時間をくうわけにはいかねぇ。


「ふ〜ん。可哀想な人」


「…可哀想?」


何かが引っかかるような言い方。


それがすごく気になった。


「だって本当のこと知らないんですもん」


「何の話をしてるんだ?」


そう問いかけると、栞ちゃんはクスリと笑った。


「慎也さんのことですよ」


慎也のこと?


栞ちゃんは何を知ってるというんだ?



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