memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「昶、落ち着きなさい」


「でも幸助さん!もし彼女ならっ!!」


彼女なら?


彼女ならなにかあるのかな?


というか、この人たちは一体…。


「幸助の言う通り、とりあえず落ち着け。ちゃんと説明はすっから」


お兄ちゃんがそういうと、昶と呼ばれた人は大人しくイスに座った。


納得してないって顔してるけど…。


そんなことを考えていると、いきなりお兄ちゃんに肩に手を置かれ、抱き寄せられた。


「星南。お前にずっと黙っていたことがある」


「ずっと?」


ってことは、記憶を失う前の私も知らない…?


「ああ。この倉庫に、下にいたカラフルな頭の不良たち。…何か思わなかったか?」


「何の集まりかな?ってくらいかな…」


後は外にあった旗とかバイクとか、この部屋とか?


いろいろあるけど、言ったら先に進まないから黙ってることにした。


「まぁ、簡単に言うと不良の集まりだ。んで、俺はその不良たちのリーダー」


お兄ちゃんがリーダー?!


うっそだぁぁあぁ!


私的には幸助?って人がリーダーに向いてると思うんだけど…。


お兄ちゃんってリーダータイプには見えないし。



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