memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「星南!よかった、無事だったのか…っ」


「…つき君が助けてくれたから」


「そうか。…築路、サンキューな」


「約束だったしな」


…約束とな?


まぁ、それは後で聞くとして。


唖然とした顔でこちらを見つめる紫龍会と、栞ちゃん。


目が合うと、顔がどんどん青ざめていく。


「ど、どうしてっ!!」


「あんたたちが捕まえてくれたおかげで記憶が戻ったよ。お礼に自己紹介をしようか」


ふふっ。


驚くだろうな〜。


なんせ、あんたたちが潰そうと探していた紅炎が、姫と勘違いして階段から突き落とされた女なんだもん。


まぁ、あれは私も咄嗟のことで対処できなかったのが悪ぃけど。


「私は紅蝶の総長である紅鬼の影、紅炎。地獄からはい戻ってきたんだ。よぉっく覚えておいてもらえると嬉しいな」


「なっ!?あんたが紅炎?!」


「おい!どういうことだ!!」


動揺は紫龍会だけに留まらず、moonも同じようで。










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