memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「あ!じゃあ、なんで紅炎になったのか聞きたいっす!」


「おっけー。私が喧嘩をするようになったのは中学生の時から。まぁ、イジメられて、それが度をすぎるようになってイラついたのが原因かな」


「い、イジメ…?」


青ざめるお兄ちゃんに、そういえば言ってなかったな。なんて思い出す。


お兄ちゃんってシスコンだから、バレたら面倒だなーなんて思ってたんだよね。


「あ、お母さんは知ってるから」


「は?!」


「だから、単身赴任中のお父さんのところに行かせてくれたんだよねー。で、お父さんのお友達が紅蝶出身で、訳を話したら、この時代女も強くないといけないぞ!とか言われて喧嘩を教えこまれたんだよね」


いやー、懐かしい。


喧嘩とかしたことないから、さいっしょはもう傷だらけよね。


「…ん?お父さんのお友達が教えてくれたということは、もしかしてお父さんは…」


「さすが幸助先輩。お父さんは私が紅炎って知ってます」


…ついでにお母さんも知ってたり。


お父さんからお母さんには絶対に言うことって言われてたしね。


まぁ、だから多分、お母さんは今回の事故がどうして起こったのか、だいたいはわかってるんだろうなー。













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