memory〜紅い蝶と私の記憶〜
フードが取れて素顔が丸出しでも構わないというように、女の子を見てはまたあの太陽のように輝く笑顔を見えてくれた。


「驚いたよね。こんな格好してるけど、正真正銘の女の子だよ」


男の子の格好をしているが、それすらも格好いいと思ってしまうくらい似合っている。


それに見惚れていると、心配そうに顔を覗き込まれた女の子は慌てて弁解をした。


「け、怪我もないです!すぐに助けていただいたので…。本当にありがとうございます」


もし、気づいてもらっていなかったら、助けてもらえなかったら、そう考えるだけでもぞっとする。


そんな女の子の気持ちが伝わったのか、〝大丈夫〟というようにギュッと抱きしめられる。


「もう大丈夫。脅したし、もうこんなことはしないと思うから。だからといって、夜道にこんなところを歩くのは危険だから、なるべく人の多いところを通ること」


約束と言われたそれに、首を何回も縦に振る女の子に少女は安心したのかゆっくりと立ち上がった。









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