memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「おう!クラスメイト同士、仲間としてもよろしくな!それと、俺のことは昶って呼んで?敬語もなしで!」


あき…ら。


そう心で呟く。


その瞬間、顔が熱くなるのがわかった。


男の子の名前くらいで真っ赤になってどうするのよっ!


幸助先輩だって、先輩ってつけてるけど、呼び捨てには変わらないのに…。


なんで高松くんにだけ…?


「…星南?」


「うわっ?!!」


「っ?!…びっくりしたっ」


びっくりしたのはこっちだよっ!!


名前呼ばれて顔上げたら…高松くんのど、ドアップだったんだから!!


「返事ないからどうしたのかと思ったら…。顔色が少し悪い。もしかして…体調悪い?」


その言葉に、ずっと黙っていたお兄ちゃんが騒ぎ出した。


「星南っ!体調悪かったのか?!大丈夫か?!えーっと、とりあえず熱測るか?いや、病院に行くほうがいいのか?!」


…ちょっとこれはうざいかもしれないです。


とりあえず、お兄ちゃんはスルーして。


未だに心配している高松くんに向き合う。



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