memory〜紅い蝶と私の記憶〜

懐かしい思い

「美鈴!新しいゲーム買ったんだけど、一緒にやらない?!」


「やるっす!これやりたかったんっすよね〜!」


テレビゲームを始めた高松くんと美鈴ちゃんを、ソファーに座りながら見つめる。


お兄ちゃんは幸助先輩と何か話し合ってる。


あのお兄ちゃんが真剣な顔をしているから、きっと大切なお話なんだ。


それくらいは私でもわかる。


だから私は邪魔をしないように、静かに2人を見つめるだけ。


本当は私も混ざりたいけど、学校に行ったりで疲れたから休憩してから混ざらせてもらう約束。


でも正直、私は混ざらなくてもいいかな〜って思ってる。


高松くんと美鈴ちゃんが口ゲンカしながらも、仲良くゲームをする姿を見ること。


そしてお兄ちゃんと幸助先輩が資料やパソコンを見ながら何かを話し合ってる姿。


それは私の中に眠っている〝何か〟と被ってとても心地よいから。


でもその〝何か〟がわからないから辛いっ。



心地よいはずなのに…でも辛いなんて。


どっちなんだよ!って感じなんだけど、今の私には全然わからない。


心地よいのか、辛いのか。



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