memory〜紅い蝶と私の記憶〜

姫になりまして

「…星南」


「ん?」


お兄ちゃん?


なんでそんな真剣な顔をしているの?


「ここは気に入ったか?」


ここ?


最初はわからなかったけど、お兄ちゃんの言っている〝ここ〟がこのmoonであること。


やっと理解しました…。


「気に入ったよ。みんないい人だし」


何より〝あそこ〟と似ているから。


「そっか。それなら良かった」


そう言ってお兄ちゃんはニコニコと笑っている。


何がそんなに嬉しいのかな?


…あ、自分の大切な人達だからかな?





「星南、moonの姫になれ」





「え?」
「「はぁぁあぁぁあ?!」」



私の声と同時に、幸助先輩と高松くん、美鈴ちゃんの叫び声が部屋中に響いた。


3人が叫ぶと結構耳にくるね…っ。


お兄ちゃんも眉間にしわ寄せながら耳押さえてるし。



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