memory〜紅い蝶と私の記憶〜
頭が痛くなったのは幸助先輩の言葉を聞いてから。


先輩は〝星希のように妹を姫にする族もいれば、彼女を姫にする族もあります〟って言った。


ここに来てから頭が痛くなったのはこの部屋を見てから。


どこにでもありそうな部屋。


だけど、族特有の雰囲気があると私は思う。


…もしかして、私って族関係者…だったりする?


その可能性が高いよね…?


もし私の考えがあっているなら…お兄ちゃんたちとは敵対することになるの…?


「…星南?大丈夫か?頭痛いのか?」


…っあ、また私…。


お兄ちゃんもみんなも心配そうな顔させて何してるんだろう…。


はぁ…自己嫌悪だ。


「大丈夫だよ。頭整理してただけだから」


うん、嘘ではない。


「まぁ、普通だったらそうなるよな」


「姫になれって言われても驚きますよね」


「星希さんって唐突に言うからね」


「ずっと一緒にいる私たちでもたまに謎の時あるっす」


おお…またすごい言われよう。


私もこの数日で身をもって知ったし。


本当のことだからフォローは出来ないね。



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