memory〜紅い蝶と私の記憶〜

｢ん？食べ歩きならいろんなもん食えるだろ！｣


｢｢食べたいからかい！！｣｣


｢あはははっ！昶と星南ちゃんハモってるっす！！｣


そんなに笑わなくても…。


しかも笑うどころか爆笑ですよ。


ていうか、ハモるなんて…やっぱり思うことは同じってことだよね？


みんないっぱい食べたいわけではないみたいです。


｢美鈴はどこに行きたいんですか？｣


｢やっぱり遊園地っすかね！お化け屋敷に行きたいっす！｣


｢遊園地ですか…｣


〝〜っす〟って変な語尾をつけるわりに、思考は女の子なんだな〜。


まぁ、観覧車ではなくお化け屋敷っていうのはどうかと思うけど。


というか、歓迎会の主役である私はスルーですか？


｢昶は？どこか行きたいところありますか？｣


｢俺は水族館かな〜｣


｢水族館！水族館がいい！｣


はいはい！っと手を伸ばしながら主張する私に、みんなの視線が集まる。