memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「星南!!」


「っ高松くん!!」


男たちに掴まれていた腕を高松くんが引っ張ってくれ、私は高松くんの腕の中に収まる。


いつもは笑顔の高松くん。


でも今はいつもの高松くんとはすごくかけ離れている。


…すごく、睨んでる。


これが族に所属している高松くん??


「去れ。すぐに去らないなら大事なところがなくなると思え」


「「ひぃぃぃっ!」」


男たちはそんな情けない声を出して逃げていった。


「…星南、大丈夫?」


あ…いつもの高松くんだっ。


「だい…じょ…ぶっ」


「星南?」


あれ、おかしいなっ…。


涙が止まらないよっ。


そんな私を高松くんは優しく抱きしめてくれ、頭を撫でてくれる。


それがすごく嬉しくて、だんだんと落ち着いてきた。




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