memory〜紅い蝶と私の記憶〜

記憶の一部

「って!こんなことしてる暇ないよ!1時間目から移動教室だよ!」


「うわっ、そうだった!」


「化学だから矢部だぞっ!遅刻したらこえぇぞ?!」


高松くんの言葉に我に返る。


矢部先生が怖いのか、みんなはバタバタと化学室へと向かう。


…矢部先生ってあのメガネかけた白衣着た先生だよね?


青ざめるほど怖かったかな?


「星南!僕たちも行こう!」


「え、う、うん!」


教科書を持って、高松くんと美鈴ちゃんの元へと急ぐ。


少し早歩きなのは、やっぱり2人も矢部先生が怖いのかな?


「っあ!ノート教室に忘れたっす!!」


「えー、ノートって今日提出だよ?忘れたら先生キレるよ?」


「それは嫌っす!ダッシュで取ってくるから先に行ってるっす!」


「うん。なるべく急ぐんだよ?」


急いで転けないようにね?


というのも付けて。


だって今にも転びそうなくらい速いから。



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