memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「良かった。僕は赤澤さんのクラス担任の瀬田川(セタガワ)と言います」


クラス担任…。


スーツ着てなかったら納得出来なかったかも。


瀬田川先生って童顔のせいか、大学生にみえるし。


「えっと、赤澤 星南です。よろしくお願いしますっ!」


「はい、よろしくお願いします」


高校生と、スーツを着た見た目大学生が2人揃って深々とお辞儀。


周りから見たらすごい光景なんだろうな〜。


「では、教室に案内しますね」


「はい」


学校内へと入って行く瀬田川先生の後を、私は走り歩きで追いかける。


教室に着くまでに、かるーく学校案内。


靴箱に職員室、購買、食堂…。


いっぱいありすぎて覚えられる気がしないよ…。


「ここが赤澤さんのクラスです」


1年A組…。


ここが私のクラス。


途中編入だけど、うまくやっていけるかな?


記憶を失う前には友達はいたはずだし。


なんとかやっていける。


そう私は信じてる。


…友達がいたらの話だけど。




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