人事部の女神さまの憂い

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「んー、優秀なんだけどさ、どうもしゃっきっとしないんだよな」

役員会でそう発言したのは、この会社の社長でもありエンジニアでもある立花さん。

「それわかるかも。俺もミーティングで、全然発言しない新人にびっくりして、マネージャクラスに聞いたら、だいたいそんな感じだって。ニシユリ、なんか声あがってない？」

副社長でありプロモーション担当の藤木さんが続けて発言をする。


「受け身の新人が多い、という声はちらほら入ってきてはいます」

「そうね。ちょっと前と違って“有名企業”というイメージがついちゃったから・・・。
　
　これまでのように“優秀さ”だけで選んでいたら、どうしても安定志向の子たちが増えてきちゃったのは確か。そこを重視するなら、採用方針を変えていく必要があると思う。一度持ち帰って戦略を練り直してもいいかな」


香織さんが人事の責任者として、一旦議論を打ち切った。