人事部の女神さまの憂い

結局、柏木さんに好き放題された後

「まじでゴメン」

心配そうに自分で噛んだ跡を指で撫でられた。

その姿がかわいくて頭に手を伸ばすと、意外にサラサラしている髪の感触が気持ちよくって、うふふ、と幸せな笑いがでてしまった。

「何、笑ってんだよー」

不機嫌な声をだす柏木さんが、またかわいい。

「柏木さん、噛むの好きなんですね」

ちょっとからかってみると

「別に好きじゃないよ。ガキの頃じゃまだしも、こんな我慢きかないなんて情けない。ほんとゴメン」


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