人事部の女神さまの憂い
言っていることが当たっているからこそ、腹が立つ。
「な、なんで、そんなことわかるんですか?」
不機嫌なまま声に出すと、私の胸元を指さした。なんだろうと思って自分の胸元を見ていると
「ほら、前にドSだって言ってたじゃん。でも、キレイなままだからさ」
平然と言ってのけた。
「どこ見てんですか!!!」
慌てて、ちょっと深く開いた襟ぐりを両手で隠すと、今さら、とケラケラ笑っている。
「いや―でも、その白い肌。跡残したくなる、あいつの気持ちもわかる気もするな」
更に恥ずかしいことを言われて、自分でも顔が真っ赤になったのがわかった。
「もう、やめてください」うつむくと
「悪い、悪い。いじめがいがあるから、つい」
全く悪いとは思っていない様子で、オツマミに手を伸ばしながら興味もなさそうに
「でも、ほんとにほっとらかされてんだな」
と呟いた。