人事部の女神さまの憂い

あの冷めた目もだけど、あんな場面で置いていかれたことも、すごいショックだった。

私のことなんて、なんとも思ってないんだって。

今まで目を逸らしていた事実を突きつけられたようで、胸が張り裂けそうだった。

涙を止められないでいると

「はい」と香織さんがティッシュを箱ごと渡してくれた。すみません、と言うのが精いっぱいだった。

やっとのことで涙をぬぐうと

「とにかくさ。ストーカーのことは、ふじっきーがなんとかしてくれるってことだし。今日はふじっきーにちゃんと送ってもらいな」

そう言って香織さんに藤木さんと2人で送り出された。



< 329 / 471 >

この作品をシェア

pagetop