人事部の女神さまの憂い
これ以上心配かけちゃダメだ。
「遊ばれてるだけなのに、本気になっちゃって。イタイですよね―」
無理矢理笑って見せると
「無理すんなよ」と藤木さんの腕の中にすっぽり包み込まれた。
まだ温まってない部屋の空気は冷たいけど、藤木さんの腕の中は、とってもあったかくて、今度こそもう我慢が出来なかった。
藤木さんにしがみついて、子どもみたいに声を上げて泣いた。
「今朝ね、あんなことになるまで、すごい幸せだなって思ってたんです。朝一緒にどこかにでかけるとか、はじめてで。久々に会えて、すごい優しくって。もしかして、愛されてるのかなーなんて勘違いしちゃって。そんなわけないのに・・・」