人事部の女神さまの憂い

巧とたまに2人で食事をすることはあっても、やっぱり家族みんなが揃うこの空気感が好きだなと。そんな想いに一人ふけっていると

「侑里はいいお相手いないの?仕事もいいけど、もういい年なんだから」

母から手痛い指摘が入ってしまった。色々微妙なんですよ、と心で毒づきながら

「まだまだ、そういうのは考えられないかな」

強がって返事をすると

「まあ、侑里も相手くらいはいるんじゃないの?」

隣で巧がニヤニヤしている。

その後も、仕事が大変なら帰って来ればいいよ、とか、子ども産むなら若いうちの方がいいんだから、とか、母から延々と続く口撃を交わしながら、なんとか夕食を終えた。


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