人事部の女神さまの憂い
きっと、あの原田さんとの一件があった後だ。
柏木さん、私のことなんて全然興味もないのかと思ってたけど、一応気にしてくれてたんだ。今さらだけど、そんな事実を知ることができて嬉しい。
でも・・・・。
「そっか・・・・」
巧にはそれ以上、何も言えなかった。それを感じ取ってくれたのか、巧はそれ以上突っ込んでは聞いてこなかった。
ただ、部屋を出るときに
「柏木さん、海外の案件入っていつも以上に忙しそうだよ。年末年始もないって言ってた」
近況だけ教えてくれた。
忙しいのは、本当なんだ・・・。
気にしてくれてたなら、連絡くれてもいいのに、この前のパーティーでもそんな素振り全然なかった。
すれ違っちゃった私たちの関係、もう手遅れなのかな・・・。