人事部の女神さまの憂い
この人の中では、私たち気まずい状態じゃないのか。
私としては、意を決して電話をして、ドキドキしながら会いに来たのに・・・。
何を考えているか、何を感じているかわからない柏木さんをじっと見ると、ごめんと一言謝って
「話があるんだっけ?」と言って目を逸らされてしまった。
あれ?普通にふるまってくれてるけど、柏木さんもちょっとは気にしてくれてるのかな。これまで見たことのない柏木さんのちょっと困ったような表情を見ていると、どこかに行ってしまいそうで、それが嫌で、思わずその手を両手で握ってしまった。
突然触れた手がびくっ反応し、ようやく柏木さんが私の方を見てくれたけど、その目から柏木さんの考えていることはわからない。
でも、柏木さんがどう、とかじゃなくって、私がどう思っているかを伝えるって決めてここに来たのだ。