人事部の女神さまの憂い
電車でいくと都内からだと乗り換えが面倒だし、何より藤木さんの車に乗れるなんてめったにない貴重な機会。なんて嬉しいお誘い。
「ほんとですか?すごい助かります」
頬がゆるんだままこたえると
「まあ、タダでとは言わないけど」
悪い笑顔を見せている。何を言われるんだろうと身構えていると
「せっかくだから夜通し飲めるだけの銘酒揃えとけよ。海辺で飲めるとか、絶対気持ちいいだろ」
私と同じ思考なことも、一緒に飲む前提で考えてくれてることも嬉しくって
「了解です!」と思いっきり返事をした。
そのやり取りをみていた香織さんは
「ほんと、あんたたちの頭ん中お酒のことしかないの?」と呆れ気味。
そこにもう1品つくり終えた立花さんも加わって、宴がスタートした。
いつものように立花さんが香織さんにまとわりつき始めた時
「そういえば、柏木達也、WEBのニュースでてたね。海外進出だって?」
思い出したように香織さんに問われた。