人事部の女神さまの憂い

記者さんたちをエレベーターまで見送ったところで、はぁーっと安心から大きなため息がでてしまった。

「お疲れ、ニシユリ。上出来だったよ」

藤木さんは笑いながら、頭をくしゃくしゃと撫でてくれた。

その評価にちょっと安心した。

「ありがとうございます。ほんと、途中どうしようかと思って、心臓バクバク言ってました。顔に出てなかったですか?」

「大丈夫。完璧“ニシユリ様”だったから。これで記事もバズってくれたらいいんだけど」

「はぁ。アプリ系のプロモーションにもなれば本望です」

ぐったりしながらこたえた。
< 62 / 471 >

この作品をシェア

pagetop