好きにならずにいられない

そして秀一と待ち合わせの場所に向かう。

さすがの岡田さんも緊張しているらしく私はぎゅっと手を握る。
すると私を見て苦笑いをしていた。

きっと岡田さんは私と秀一が付き合っていると思っているから秀一との話し合いをするのにドキドキしているのだろう。

でも私はその事ではなく別このとを話さなければならないので緊張していた。

「どうも」

と秀一が私たちを見て手をあげる。

「まずちょっとめんどくさい奴ですが舞のことよろしくお願いいたします」

と笑顔で言う。

岡田さんはこの言葉にびっくりしていた。

「色々と説明する前に今から病院に行くので来て下さい」

と秀一の先導で病院の一室に着く。
扉を開けると呼吸器を付けた男の人が寝ている。

「こいつは俺たちの幼なじみで智也っていうんですけど…ずっと寝たままでもう起きないですよ」

岡田さんはなにかなんだかわからないような顔をしている。

「おばさんが智也の臓器提供を考えてるって。

だから舞も俺にももう智也の事は思い出にしてほしいってさ」

それを聞いて私は泣くことしか出来ず智也の手を握る。
手を握ると温かい生きていると感じられる。

「それを伝えたかったんだ

さぁ今度は岡田さんにちゃんと説明しよう」

と言い個室のある店に3人で入る。

「驚きましたよね?

なにがなんだかわかりませんよね」

「あぁ
ちょっと予想外の出来事でな」

私はずっと泣くことしか出来なかった。

「ちゃんと説明しますね

まず俺と舞は付き合ってないです

いとこで仲良かったのを周りが勝手に噂してそのままにしてたら付き合ってるって事になったって感じです。

なので俺の事とか気にせずにラブラブしちゃってください

で、次が本題です

さっき会ったのが俺たちの幼なじみの智也です

俺たちは小さい頃からずっと一緒で。
年頃になって智也と舞は付き合う様になったんです」

「秀一。
私からちゃんと岡田さんに話す」

「了解」

「智也はワクチンとかの研究をする人で私とデートの約束をしても研究を優先してた

夢に向かってがんばってる姿を見ると応援しようと思ってそれも許してた

でもある時に研究だって聞いていたのに女の人と楽しそうにお茶をしてる姿を見てしまって何も信じられなくなり彼を呼び出して別れを告げた

彼は私に弁解をしようとしたけど私は拒絶してた

それでも彼は忙しいのに私のところに来て話だけでも聞いてくれっていって毎日通ってくれて私も話を聞こうという気持ちになっていた。

だけど素直になれなくて今すぐケーキを買ってきてくれたら話を聞くって意地悪をしたの。

彼はケーキを買いに行こうとして事故にあってあの状態になった。

確認したらお茶をしてた女の人は彼のいとこでジュエリーデザイナーしていて私に送る婚約指輪の打合せをしてたって。

それからずっと後悔ばかりしてた

なんでちゃんと話を聞かなかったのだろう
ケーキなんて買いに行かせたんだろうって

そんな私を見て智也のおばさんからもう3年経つからもう智也の事は思い出にして新しい恋をしてって言われた

そんなときに岡田さんと会って恋なんかもうしないって思ってたのに惹かれてしまって」

「俺はずっと舞を見てがんばったと思ってる

いつ起きるかわからないやつをずっと待ってるのはしんどいよ

俺もおばさんと同じで新しい恋をして欲しいって思ってる

だから自分の気持ちに素直になって欲しいと思ってる」

「俺は色んな事をいっぺんに聞いたから色々と動揺してるけど舞が俺のところに来たくれるなら智也ってやつに恥ずかしくないようお前を大切にするし幸せにするから
俺との事をゆっくり考えて」

「あっでも泊まりには行くからな」

とこんな時でも冗談を言ってくれる。

そこからはさっきまでの暗い雰囲気をなくすように

「先輩って草食系って噂でしたけどそうでもないんですね」

「俺は会社の人間には絶対に手をださなかったからな

舞に会って変わっちゃったよ」

「おっラブラブ発言」

なんて男同士で笑てる。

「でもお前が舞を幸せにしようとか思わなかったの?

幼なじみで三角関係とかさぁ

ドロドロした愛憎劇とか」

「あっないない

だって俺ってゲイなんですよ

だから舞に全然興味なくて

俺には恋人いて支えてくれる人がいるから舞にもそういう人を作って幸せになってほしくて」

なんて突然のカミングアウトに岡田さんはびっくりしてる。

「意外だなぁ

俺は男は興味持てないな

胸とか柔らかくないとイヤだ」

なんて酔っ払いのような事を言っている。

岡田さんの周りには飲んだと思われるワインの瓶が何本かあった。

私が真剣な話をしているときに飲まずにはいられなかったようで飲み過ぎて酔っ払ってしまったようだった。

そんな酔っ払いをタクシーに乗せ帰らせようとすると岡田さんが私の手を引き舞の家に帰ろうと一緒のタクシーに乗せられた。
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