くれなゐ症候群
「学校では会ってるの?」

「たまに・・・クラス違うから」


「小学校のときには、毎朝あんたを迎えにうちまで来てくれたのにねぇ」


「もう高校生なんだからさ」

最近はバイク乗り回したり、夜出歩いたりしてるらしいよ、と言いかけて口の中に押しとどめる。


焼き上がったトーストを皿に乗せ、テーブルに並べる。

ほとんど外に出ることもない母の記憶にあるのは、いつまでも小学生のころの修二の姿だ。
< 5 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop