くれなゐ症候群
「えー、すごいじゃん」

目を好奇に輝かせて、相手の話をあいづちを打ちながら聞くこと。
すんなりこなせる自分に、嫌気がさす。


実際のところ、千香と和也がどうだろうと、なんの興味も持っていないのに。

和也から連絡、ということは肝心の修二に渡した連絡先は空振りだったということか。

そちらの事実に、こっそり安堵する。



「ライブの日程とかも教えてきて。
また修二くんがサポートギターなら行ってもいいかなって、思うけど」
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