Blanc
シロネコ
「ブラン、ブラン」
呼ぶ声に、私はちらり振り向くけど、歩みよったりはしない。
もう、無理をしてあわせなくてもいいんだ
ヒトであり、少女であった私はもういないんだから
薄汚れた白い毛並みのネコ。
それが今の私。
桜が咲いて、春が来たと思うように
葉っぱが赤くなって秋がきたって思うように
いつの日か、私は自然とネコになっていた。
不思議なことに。迷いとか、戸惑いなんてなかった。
ただ、「ああ、今日のご飯はどうしよう」なんてことが、一番に頭に浮かんだ。
ヒトだった時の私はさぞ、食い意地の張った人間だったのだろう。
おぼえてなんか、いないけど
呼ぶ声に、私はちらり振り向くけど、歩みよったりはしない。
もう、無理をしてあわせなくてもいいんだ
ヒトであり、少女であった私はもういないんだから
薄汚れた白い毛並みのネコ。
それが今の私。
桜が咲いて、春が来たと思うように
葉っぱが赤くなって秋がきたって思うように
いつの日か、私は自然とネコになっていた。
不思議なことに。迷いとか、戸惑いなんてなかった。
ただ、「ああ、今日のご飯はどうしよう」なんてことが、一番に頭に浮かんだ。
ヒトだった時の私はさぞ、食い意地の張った人間だったのだろう。
おぼえてなんか、いないけど