【完】クールな君に告白します



椎名くん………?


声にならない声で名前を呼べば、「ほら、直ったぞ……」と、伸ばした手を引っ込めた。



「……えぇっ!?あ、ありがとう」


「月城」



……と、椎名くんが私を呼んだ。


数秒、目と目が合って、何か言わなくちゃと思った直後。



「さっきのこと。オレと恋愛するって、意味がわかんないって言ってたろ」


「……う、うん。いっぱいいっぱいで、つい叫んじゃって」

 

特に私の場合、長い間、男の子とまともに話したこともない上に、相手はクール王子と囁かれている椎名くんなんだからなおのこと……。



< 103 / 563 >

この作品をシェア

pagetop