【完】クールな君に告白します
椎名くん………?
声にならない声で名前を呼べば、「ほら、直ったぞ……」と、伸ばした手を引っ込めた。
「……えぇっ!?あ、ありがとう」
「月城」
……と、椎名くんが私を呼んだ。
数秒、目と目が合って、何か言わなくちゃと思った直後。
「さっきのこと。オレと恋愛するって、意味がわかんないって言ってたろ」
「……う、うん。いっぱいいっぱいで、つい叫んじゃって」
特に私の場合、長い間、男の子とまともに話したこともない上に、相手はクール王子と囁かれている椎名くんなんだからなおのこと……。