【完】クールな君に告白します
……って、言い訳を重ねても仕方ないけれど。
「そうじゃねぇよ」
椎名くんの声に首を傾げると、私はもう一度、そのブラウンの瞳を見上げる。
「お前が、オレを好きになって告白する」
……はっきりと。
いつもとは違う落ち着いたトーンで話す椎名くんの声は、もうとうに冷めたはずの私の頬を必然的に熱くさせた。
「練習って、そういうことだからな……」
“告白の練習相手”………。
練習……と、改めて言われたからかな。
そんなの最初からそうだったのはわかっているつもりなのに、その事実に少しだけ胸を痛めたのはどうしてだろう。