【完】クールな君に告白します



「それより、月城さんってすごいのね?」


「…………わたしが、すごい、とは?」


「そうそう。だって、みんなの噂によれば、あのクール王子だとか言われてる椎名楓が、月城さんのことを好きなタイプ……だって?わたし、噂話とかあまり興味ないけど、嫌でも耳に入ってきたから……ビックリしちゃったの!」



な、なんとーーー!!


正木さんの興奮気味な声に、周囲の女の子達の視線が弓矢の如く突き刺さった。


同時に、「……不気味ちゃんが黒魔術なんか使えなかったら、上履きでひっぱたいてやるのに」と、物騒な声が聞こえる。



「……椎名くんは、そのっ、」



最早、なんて答えたらいいかわからない……。


嘘をつきたくないけど、せっかくこうして話が出来るようになった正木さんを失いたくない!



「それに、椎名楓って、前回の創立記念祭のナンバーワン・プリンスなんだって?それも、圧倒的人気で!」



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