【完】クールな君に告白します



ふわり、と……。

オレンジ色のウェーブの髪が風に揺れる。


まるでスローモーションのように私の視界に映ったのは、ワイシャツ一枚にネクタイを緩めた一人の男の子で。


あ……っ、この人……知ってる。


お手製名簿を作り始めてから何度か耳にしたことのある名前で、隣のクラスの男の子だった。


名前を、思い出したその瞬間(とき)ーーー。


ジャンプと供に手から放ったボール。


そうだ、この人はバスケ部のーーー。



「なんで入んねぇかな」



そう漏らして悔しげに髪をくしゃりと掻いたのは、“国崎 隼人”(くにさき はやと)くん。


失礼だけど、軽い雰囲気を放つ国崎くんは、いつも女の子達と楽しそうに話してるのを見たことがある。



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