【完】クールな君に告白します
私とは、まるで無縁の方々の一人だ。
立ち去ろうと決めたその直後、もう一度、宙に綺麗な弧を描いてゴールへと投げられたボール。
……だけど、ほんの僅かなブレで外れてしまう。
「……くそっ、」
「惜しいっ……!」
「あ?」
しまったーーー!!
ついつい釘付けになっていたせいで、観戦者にでもなったつもりで心の声が出てしまい、振り返った国崎くんに確実に見つかった……。
「お前……」
「あ……あのっ、すみません……っ、まさか、ここに私以外の人がいるなんて……思わなくて、」
切れ長の意思の強そうな瞳は、しっかりと私を見つめて不機嫌を全開にしている。