【完】クールな君に告白します
じわり、と詰め寄る切れ長の瞳は、瞬く間に険しくなって、私は縫い付けられたように足が動かせなかった。
「お前、“不気味”だろ?」
私に……話しかけてくれる人がここにもいた。
つい、少し嬉しくなってしまったけれど、国崎くんはあからさまに怒っている。
「……えっと、そうですよね。こんな覗き見みたいなことされたら、不気味ですよね……」
「は?ちげぇよ。お前だよお前。不気味って名前なんだろ?」
「…………な、名前?」
私は不気味と気味悪がられていますが、名前まで、不気味ではありません………。
「そうだろ?あの冷酷クソ王子が惚れたっていう女の、不気味だろ?」
訂正したいところがあったけど、目付きの鋭い国崎くんは無愛想に問いかけて、緩めたネクタイに手をかけながら、じりじりと私へと距離を縮める。